1 いつかの君へ


 君は僕にとって しるべ だった。
 僕が傷ついて、泣いて、 くずおれ た時に、君の歌を聴いた。
 祈りの歌は優しく響いて、僕たちを導いてくれた。
 いつも僕の導になって傍にいてくれた。
 ――だから見誤ってしまったのかもしれない。
 
 君が与えてくれる安らぎの裏にあった、君の苦しみを。
 僕は知らなかったんだ。


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